令和2年3月10日、南相馬市議会において、重要な課題が数多く議論された。主な焦点は市職員の人材確保、育成、教員の働き方改革などであった。
特に栗村文夫市議は、専門職の人材不足が深刻だと指摘し、対策を求めた。市職員の採用活動に関し、総務部長の佐藤幸雄氏は、訪問や通年の募集活動を行っていると述べた。市は、特に保育士や幼稚園教諭の確保が重要であると認識しており、再就職支援セミナーも開催している。栗村氏は参加者のアフターフォローの重要性に触れ、さらに活動の充実を提案した。
また、田中一正市議は健康増進について取り上げ、生活習慣病対策や食育の重要性を強調した。市長の門馬和夫氏は、今後の施策として健康づくりの重点事業を4つ挙げ、その一環として「いきいき健康づくりフォーラム」を開催したことを紹介した。
ひきこもり対応に関しても議論が行われ、岡田淳一健康福祉部長が現状を述べ、支援体制の構築が急務であると発言した。ひきこもり支援センターとの連携や、地域住民が相談しやすい環境の整備が必要と認識されている。
その後、農福連携の重要性について話し合われ、特に障がい者雇用が注目された。市は、農業分野における障がい者雇用の可能性を大いに期待し、条件整備を進める考えを示した。
また、災害対応に関する質問も多く、市民の安全を守るための防災施策が重要視された。市は、水位計の設置や排水ポンプの配備を考え、地域住民への周知を行う必要があると認識している。
観光振興の面では、相馬野馬追をはじめとする地域資源を活用し、観光誘客のための取り組みが求められた。市長は、観光の拡充に向けた具体的な施策を講じる必要性を訴え、市民協働で地域を盛り上げる意向を示した。隣接地域との連携を強化することで、観光の魅力を高める考えである。また、デジタルアーカイブや体験型ツアーの提案もあり、観光資源の再発掘が期待される。
これらの議論を通じて、市は今後、地域に根差した施策の強化を宣言し、各課題に対して迅速丸ごと対応する姿勢を示している。