令和5年6月20日、南相馬市議事堂において定例会が開催され、市長の政治姿勢や地域課題に関する一般質問が行われた。
志賀稔宗議員は、市長の「福島イノベーション・コースト構想」についての具体的な取組と今後の展望を質問した。復興企画部理事の宝玉光之氏は、福島ロボットテストフィールドを核にした新産業創出や人材育成に向けた施策について説明し、農業研修機関の開設を含む様々な施策を推進していると回答した。
市長の門馬和夫氏は、復興庁への要望として、賠償基準の見直しを含む具体的な支援策を求めた。市は、復興の進捗に応じた支援を継続し、地域課題の解決に努める考えを示した。さらに、生活困窮者への影響として、教育費の負担増が家庭に与える影響に警鐘を鳴らした。
小川尚一議員は、加えて健康・医療に関連した質問を行い、特に後遺症に関する国の動向や今後の市の対応について詳細な情報提供を求めた。健康福祉部長の丸山光清氏は、新型コロナウイルスの後遺症やワクチン接種後の症状について、情報発信と市民への周知が重要であるとの認識を示した。
防犯対策においては、南相馬警察署との連携を強化し、市民の安全を守るため、迅速かつ正確な情報提供を求める声が挙がった。市民生活部長の中本直記氏は、機密性の高い情報の扱いや捜査への影響を考慮しつつ、適宜情報提供ができるよう協議する方針を伝えた。
さらに、地域の防犯意識を高めるために、防犯カメラの設置や市民への情報提供を強化している。議会では、ヘルメット着用の義務化など、自転車利用者への安全対策や教育施策についても話し合われた。
また、サントリーグループとの協定に関連したリサイクルについては、具体的な買取価格と経済的なメリットが強調され、今後の交流人口拡大に向けたアクションプランと合わせ、市長は「持続可能なまちづくり」に向けた努力を続ける旨を述べた。
最後に、大場裕朗議員は、実際の利用状況を踏まえた運営を行う必要を訴え、特に原ノ町駅周辺の整備について利用者におけるニーズの調査が必要という点を強調した。各市議会議員の意見を参考にしつつ、都市機能の向上に取り組んでいく姿勢が伺えた。