令和2年6月の南相馬市定例会において、重要な課題が議論され、新型コロナウイルス感染症やトリチウム汚染水問題が中心的なテーマとして取り上げられた。
まず、18番の渡部寛一議員は、トリチウム等の汚染水の海洋放出に対して強い反対意見を示し、地域住民に与える影響について警鐘を鳴らした。\n「福島県民や浜通り地元住民が汚染水の海洋放出を許せば、裏切り者となる」との発言は、議会内外で大きな注目を集めた。\n市長の門馬和夫氏は、国に対し責任を持った方針を示すよう求め、長期保管の必要性を訴えた。
次に、渡部寛一議員は緊急情報缶(命のバトン)の普及について言及。高齢者や障害者への支援策を具体化する重要性と、地域の安全を確保するために広く周知を図るべきであると主張した。
また、荒廃宅地や荒廃農地に関しては、長期避難による地域の空き家問題を解決すべく、空き地管理への行政の支援強化が求められた。\n小高区役所長の山田利廣氏は、地域団体との連携を強化し、適正管理の意識を高める考えを示している。
新型コロナウイルス感染症への対策に関して、報告された調査によれば、市内の医療機関は入院患者数が減少している一方で、外来患者数も大幅に減少していることが明らかになった。健康福祉部の岡田淳一部長は「受診控えが生じている」と述べ、地域の医療提供体制が影響を受けている点を指摘した。
鈴木昌一議員は、経済回復について具体的な支援策の検討を求め、商業者への迅速な支援が必要であると力説した。\n「プレミアム商品券の発行策は、消費喚起の手段として有効だ」と述べ、実施に向けた積極的な検討を促した。\n市長は、商業者のニーズを的確に捉えた施策を整備する方針であることを明らかにした。
また、教育行政についても言及があり、新型コロナウイルスの影響による学習の遅れを取り戻すため、学校と家庭、地域の連携も強化する必要があるとされた。新たな生活様式の確立に向けた取り組みが求められ、特にオンライン教育に関する整備が急務であるとの認識が共有された。
最後に、手話言語条例の制定についても議論され、今後の進捗が期待される。この議会では、様々な課題について市民と緊密に連携しながら、地域の発展と福祉向上に努める重要性が再確認された。