令和5年3月定例会において、松戸市が提出した補正予算9件が可決された。
議案第60号、令和4年度松戸市一般会計補正予算(第9回)では、117億8,797万7,000円を追加し、歳入歳出総額を2005億1,366万3,000円とした。この補正は、決算見込みに基づく事業費の調整や国の補正予算に対応した事業を含んでいると説明された。
議案第61号では、松戸市国民健康保険特別会計補正予算(第1回)が可決された。これは、保険料の軽減策を講じ、予算総額を22億4,903万6,000円増額する内容である。鈴木智明議員は、保険料軽減の対象者に対する質疑を行い、一般会計から繰り入れた基金からの保険料抑制措置を評価しつつも、今後の国庫負担の増加に向けた努力を要請した。
松戸競輪特別会計補正予算(第1回)に関する議案第62号では、民間ポータルサイトとのタイアップにより、売上が好調なことから、75億円の補正予算を決定した。議会ではその収益についての質疑がなされ、ギャンブル依存症対策の不十分さについても指摘された。
この他、議案第63号の介護保険特別会計補正予算(第2回)では、介護度3から5の認定者に対する在宅支援が焦点となった。議論の中で高齢者の介護サービスの質や財源問題が取り上げられ、需要と供給のバランスが問われている。議員からは介護従事者の待遇改善が必要であるとの声が上がった。
後期高齢者医療特別会計補正予算(第1回)の議案第64号では、医療費の負担増が指摘された。議員らは、高齢者の医療費負担についての質疑を行い、今後のさらなる負担軽減策が求められた。
それに続く議案第65号から第69号までの補正予算は、都市計画事業や水道、病院業務に関するもので、これらも原案通り可決された。特に、新松戸駅東側地区の土地区画整理事業に関連する議案では、地域住民との合意形成が重要視され、今後の進展が注目されている。
議会では、住民との協議の重要性や社会保障に関する議論が行われ、効率的な予算使途が市民にとって益であることが強調された。各議案は審議を経て、出席議員の賛成多数により可決とし、松戸市の今後の取り組みが期待される。