令和6年9月9日に開催された我孫子市議会の定例会では、財政、教育、災害対策など幅広いテーマが議論された。
会議冒頭に、清風会の椎名幸雄議員が財政問題に言及した。近年の生産年齢人口の減少による市税収入の伸び悩みが大きな課題となっているとし、特に湖北小学校近くの作業所からの出火による体育館の延焼が、財政運営に与える影響の大きさを訴えた。財政部の中光啓子財政部長は、中期財政計画において社会保障関連経費の増加を見込んでいるとし、特に若い世代への定住化策やふるさと納税の推進が重要であると強調した。
教育面では、椎名議員が湖北小学校の体育館延焼に関して質問を行った。火災が教育活動に与える影響を懸念する中、丸智彦教育長は、学校行事の代替措置について説明した。湖北特別支援学校での体育授業など、柔軟な対応を図っていると述べた。また、再建スケジュールについても話題にあがり、迅速に取り扱うよう努めたい意向が示された。
市民行政においては、我孫子市制施行55周年を迎えるにあたって、様々なイベントの計画が提案された。星野市長は市制施行の歴史を振り返りつつ、記念行事の内容についても説明した。
さらに、災害対策を巡る議論も行われた。芹澤正子議員は、ハザードマップの内容について最新の情報を反映させるべきだと提案した。山本康樹環境経済部長は、手賀沼の環境保全や外来種の駆除計画に関する具体的な取り組みを報告し、大規模雨災害対策を進める必要性を強調した。
水道事業に関して、古谷靖水道局長は老朽管更新計画の進捗状況を報告し、耐震化率が全国平均を上回っていることをアピールした。また、経営の厳しい状況面にも触れ、料金の適正化が今後の課題であると語った。
最後に、AEDの使用状況が報告され、公民館や自治体への設置が進んでいることや、今後も広報活動に力を入れていく方針が示された。複数の議員がそれぞれの視点から質問や提言を行い、議論を深める充実した会議となった。