令和6年6月18日の松戸市議会では、様々な市政に関する一般質問が行われ、特に「持続可能な開発目標(SDGs)」をテーマにした質疑が目を引いた。
公明党の飯箸公明議員は、江戸川区が導入したSDGsアプリについて議論を交わし、松戸市でも市民が気軽にSDGs実践への参加を促すシステム導入の必要性を強調した。具体的には江戸川区での「eito」アプリの例を挙げ、触れ合いのきっかけを提供する期待を寄せた。これに対し、松戸市の伊東朱美総合政策部長は、既存の「まつどSDGsキャラバンメンバーシップ制度」を通じた意識醸成への取り組みを示し、引き続き市民参加の促進に努める考えを示した。
また、学校施設の環境や音響設備の老朽化に関する質疑も注目された。飯箸公明議員は、教育環境が学習に及ぼす影響を指摘し、早急な音響設備の点検・整備の必要性を訴えた。この点に対し、松戸市の中坂正夫学校教育部長は、音響設備の定期的な点検・修繕を進めているとし、今後の改善に向けた考えを示した。
さらに、単身高齢者の災害時対応や生活支援についても問題提起があった。高齢化が進む松戸市において、頼れる家族や知人がいない単身高齢者の生活支援が求められ、深刻な課題として位置づけられている。この問題に対して、松戸市は、地域住民や民間企業と協力し、見守り活動の実施を進めている。
他の重要なテーマとして、新京成電鉄との連携が挙げられた。市が京成電鉄との協議を継続し、今後の交通政策における信頼関係の維持と強化が重要であると発言者が強調した。特に、住民の足に直接的な影響を与える交通問題への取り組みが求められている。松戸市の伊藤智清副市長は、地域公共交通が抱える課題に対して多様な対策を検討する意欲を示した。
これらの質疑を通じて、松戸市の議会は市民の声を受け止め、それぞれの問題に取り組む姿勢を見せた。特に高齢者や地域交通サービスの向上については、今後も定期的な議論が必要とされる。議員たちの質疑からは、地域共生を実現するための市の施策強化への意欲が伺えた。