令和元年9月9日、松戸市議会において行われた定例会では、予算案や報告案を中心とした多くの議題が審議された。
まず、市政に関する一般質問において、議員たちは市の施策や今後の見通しについて幾つかの重要な問題を提起した。特に、松戸市立病院事業については、赤字が続く中、院経営の見直しの必要性が強調された。
鴈野聡議員は病院経営について質疑し、赤字の原因を市長に問う場面があった。病院事業管理局長の関聡氏は、「病院事業における赤字の要因には、減価償却費の増加が影響している」と答えた。さらに、病院が担う特殊な医療サービスにおいて、医療の質を落とさずに経営を続けるための具体的な策が必要であることが指摘された。
次に、生活保護基準の引き下げを中止することを求める陳情についても議論が行われた。陳情提出者は、「生活保護基準の改悪が市民の生活に直結する」と訴え、基準引き上げの必要性を説いた。これに対して、担当の福祉長寿部長の郡正信氏は、「行政として慎重に対応している」と答弁した。
また、予算に関連する議案(認定第1号から第10号)も審議され、特に一般会計歳入歳出決算についての質疑が相次いだ。中西香澄議員は、民生費の割合が高いことを指摘し、「高齢者福祉や子育て支援など、今後とも必要な支出は避けられない」と金額の観点から指摘した。
続いて、テラスモール松戸のオープンに際し、住民への説明会が不十分であったことに関する苦情も寄せられた。加えて、新設分室の運営についても懸念が投げかけられ、児童たちの安全を守るためしっかりとした体制構築を求める意見が相応に反映された。
土地区画整理事業についての意見も多く市民から寄せられ、「減歩率が高すぎる」といった不安の声があった。市長の本郷谷健次氏は、「地域の合意形成は重要で、市民の声を反映していくよう取り組む」と述べたが、市民との充分なコミュニケーション不足は否めない。
議案第29号の幼児教育・保育無償化についても、質疑の中で保育の質の確保の重要性が強調され、それを踏まえた具体的な施策が今後求められることとなった。市民の意見を幅広く聴取し、現場の声を政策に反映させることが特に重要であるとの認識は議員間で共有されていた。
総じて、今回の定例会では、市の財政運営や各施策の現状、岡本優子議員をはじめ多くの議員の質疑がたいへん活発であった。他者の意見に耳を傾ける姿勢が見え隠れし、今後の施策がどのように進展するのか、その進捗が注視されることだろう。
今後も松戸市の議会は市民に寄り添った施策を継続して進める必要があり、市民との対話の機会を作り、意見を聞く姿勢が求められる。