令和5年5月26日、松戸市議会の臨時会が開催され、議案第4号「財産の取得について」について議論が行われた。議案は、市役所用地としての未利用国有地の購入が懸案であり、否決される結果となった。
杉山由祥議長が開会を宣言し、議案は日程に従い議論が進む。委員長の末松裕人議員が特別委員会での審査結果を報告した。特別委員会は、当地の購入が市役所の老朽化対策や災害拠点としての機能を強化する目的であることを説明したが、同時に土地の狭隘さ、アクセスの悪さ等、多くの問題を指摘した。
報告に対し、深山能一議員は反対の立場から討論を行った。特に、敷地面積や周辺環境に不安を感じ、現在の市役所機能が維持できるか疑問を呈した。議会と執行部の合意形成が不十分であり、市民にとって不透明な決定が行われていることを問題視した。
また、反対する岡本優子議員も市役所の位置変更についての合意が欠如している点を強調した。この移転案が市民生活にどう影響するのか、十分な説明が不足しているとの意見が多く寄せられた。
一方、公明党の飯箸公明議員は賛成の立場を表明。市役所の再整備が市民の安全に寄与し、松戸の活性化につながるべきとの意見を示した。市の更なる発展に期待を持ち、今回の購入を好機と捉えていた。
質疑応答の後、杉山議長が討論を閉じ、採決に移った。結果としては賛成少数で否決され、「議案第4号は否決すべきものと決定」と報告がなされた。この結果に対し、市長の本郷谷健次は議員に感謝すると共に、今後の議会との連携を強調した。
今後、松戸市の新たな庁舎整備に向けてどのような方針が採られるのか、多くの市民が注視している。議会での合意形成と市民への説明責任が求められる中、松戸市の未来に向けた道筋を示していく必要がある。