令和3年6月10日に開催された松戸市議会定例会において、様々な課題と提案が提起された。特に注目される議題は、市立総合医療センターの経営状況、新拠点ゾーン開発、高齢者の福祉に関連する支援体制、オストメイトへの配慮、そしてアスベスト問題に対する施策であった。
まず、市立総合医療センターについて、ミール計恵議員が一般会計からの繰入金の理由を問うた。病院事業管理局長の回答には、診療報酬の改善や政策医療の負担を果たすことが、繰入金の主な理由であるとされている。具体的には、平成30年度の新病院建設以降、経営改善を目指し、負担金は削減されていることがわかり、今後の経営改善計画も重要視される。
次に、新拠点ゾーンの開発に関する議論が展開された。ミール計恵議員は、ゾーンの利用方法や各地区の役割について具体的なビジョンを示すことを求めたが、府の役所からは計画の詳細がやや不明瞭な印象を受けた。新拠点の整備は松戸市の活性化に関わるため、その実現可能性が期待され、引き続き透明性が求められる。
高齢者支援の観点からは、ミール計恵議員が65歳以上の高齢者の聞こえについての実態把握が行われていない点を指摘した。加齢に伴う聞こえの問題が認知症予防の観点でも重要で、補聴器助成制度の創設を改めて要望した。また、松戸市の副市長はこの実態把握を行い、助成制度の検討を進める方向で考えていると答弁している。
さらに、オストメイト支援の一環として、災害時専用の簡易トイレの備蓄が必要と指摘され、災害対策においても多様なニーズに応じる準備が問われている。民間建築物のアスベスト対策について、現在の松戸市の取り組みと新たな補助制度の創設に向けた意見交換がなされ、より安全な生活環境の提案があった。
このように、松戸市議会では地域の様々な問題に関して活発な議論が展開されており、引き続き市民の意声を反映しつつ、更なる改善が期待されている。これら全てのテーマは市民生活の質向上を目指しており、議会の決定次第で多くの高齢者や障害者の暮らしに影響を与えることになるため、目が離せない。