令和6年6月、大口町議会は第5回定例会を開催した。本会議では、さまざまな一般質問が行われ、特にプロモーション事業や高齢者の暮らしの足に関する課題が浮き彫りとなった。
仙田王一議員は、町のプロモーション事業について質疑を行い、特に地元の桜を活用した箸の作成について質問した。まちづくり部長の佐橋竜午氏は、箸の制作を長野県の木下商店製箸所に委託し、年に2,000膳を作成していると説明した。使用する素材には古い桜の剪定枝を使っており、昨年度は約60トンの素材が得られたと述べた。さらに、桜の剪定枝を使った新たな製品づくりの提案も話し合われ、地域の特徴を活かした商品開発の方向性が示された。
次に、高齢者の暮らしの足についても多くの意見が交わされた。コミュニティバスの運行や外出支援サービスの充実が求められている中、健康福祉部長の小島まゆみ氏は、外出支援サービスの利用状況を報告した。タクシー助成の利用率は35.6%、コミュニティバスの利用率は45.2%に達しており、徐々に制度改正の効果が表れていると説明された。今後も高齢者の移動手段を確保するため、地域における交通網の整備が重要だと強調された。
また、大口町の財政についても議論が行われ、町税の収入状況が報告された。町の自主財源が72.7%を占める中、法人町民税や固定資産税の安定的な確保が確認された。この中で、702社の法人税課税企業があることも明かされ、今後も企業との関係構築が大切だと考えられている。
現在、国有資産等所在市町村交付金の受け取りも重要な歳入源となっており、その基準や条件についても詳細に議論された。特に、町営の住宅に関する補助金政策については、今後の持続可能な運営を考慮した資金運用が求められる。
このように、多岐にわたる質問と議論が展開された結果、町のプロモーションや高齢者支援策、財政運営が今後の重要なテーマとして浮上した。議会では、これらの施策を進めるための具体的な方針が常に求められ続けている。町の未来を見据えた持続可能な施策が必要とされ、議会自体もその充実に努めていくことが示された。