令和5年12月13日、春日井市議会定例会が開催された。多岐にわたる議題が取り上げられ、市民生活に直結する重要な問題が討論されている。この中で、特に注目されたのが、ふるさと納税に関する議論であった。
奥村昇次君はふるさと納税の赤字幅について質問し、その背景には地方への寄付が急増している現状を挙げた。具体的には、令和4年度の全国のふるさと納税受入額が9,654億円となり、前年比113%増の131億円に達したデータも示された。この増加傾向を踏まえ、寄附受入額と税控除額の差について奥村君は過去3年間の推移を尋ねた。
企画政策部長の勝伸博君からは、春日井市のふるさと納税に関する数値が示され、過去3年間の受入額や経費、結果としての赤字額に関する詳細な回答があった。また、返礼品の開発についても過去に取り組んだ経緯と今後の方針が発表され、市の農業特産品を活用した商品創出が求められているとの見解も示された。
次に、犬塚昭紀君は発火性危険物のスプレー缶の排出方法について議論。市ではスプレー缶の穴空け処理の徹底を求めているが、他市では穴空け作業を不要としている状況が取り上げられた。環境部長の上田敦君は、穴空けが引き起こす危険性を理由に穴空け処理を維持する必要性を強調し、安全な廃棄方法についての対策を引き続き検討していくと述べた。
さらに、長谷和哉君は救命救急について質問。市の救急搬送件数の増加や病院収容時間の短縮など、急行体制が整っている現状を知り、安心感を表明した。また、休日・平日夜間急病診療所の重要性も再確認され、地域医療の政策展開について広範な意見交換が行われた。
これらに加え、婚活支援に関する鈴木秀尚君の質問があり、少子化対策としての婚活の重要性が提唱された。市側では慎重に対応する姿勢を示しつつ、周辺自治体の取り組みを参考にしていく考えを示した。
また、災害対策については、大村勝人君から地震災害に対する市の取り組みが問われた。総務部長の岩井淳治君は、地域住民が自助・共助の意識を高めるための支援策を強化し、地域の防災マニュアルの作成支援を行っていることを答えた。
公共交通の現状については、小原哉君が、名鉄バスの運行状況や運転手不足の実態を取り上げ、今後の対応策について問うた。特に、タクシーとシティバスの運行環境が厳しい状況であることを指摘し、さらなる対策を求めた。まちづくり推進部長は、地域の公共交通のニーズに応じた運用を提案し、市民からの要望をしっかり把握するとの方針を示した。
最後に、パブリックコメントのあり方について質問があり、田口佳子君は市の情報発信の仕方に疑問を呈した。特に、パブリックコメントが単なる形式的なものになっていないかという懸念が示され、より広範な市民参加を促進する施策が求められた。