令和3年6月に開催された春日井市議会定例会では、様々な重要な課題が議論された。
特に注目されたのは新型コロナウイルス感染症に関連した国民健康保険税の減免制度である。金澤陽貴議員は、前年の収入が基準であることが不公平であると指摘し、前年収入がゼロであったりマイナスだった場合には支援の手が届かないとして、前年の収入を基準とする理由に疑問を呈した。
議会では、この減免制度を利用できた世帯数として約450世帯が報告された。議員は、前年と比べて3割以上減少しなければならない現状の厳しさを強調し、前々年度も比較対象にするべきとの意見を述べた。加えて、この制度に基づいて困窮している市民への支援が必要であるとの意見が相次いだ。
次に議論されたのは、新型コロナ感染症対応型住宅リフォーム助成についてである。市民生活部の長谷川晃部長は、現在春日井市では住宅関連の耐震化や高齢化、環境対策等を目的とした様々なリフォーム支援制度が実施されていると述べた。しかし、新型コロナウイルスに関連する助成制度の創設については現在のところ考えていないとのことであった。
さらに、家庭ごみの収集についての課題も浮上した。宮地隆議員は、春日井市のごみ処理基本計画を引用し、戸別収集の検討が進められている成果について言及した。しかし、現状のごみステーションで発生する問題に対して、戸別収集が試験的にでも導入されるべきではとの意見があった。
また、地域に根ざした農業施策についても触れられた。伊藤建治議員は、都市農業振興基本法に基づく生産緑地の増加が急務であり、現在春日井市の政策に見くびりがないか確認した。特に耕作放棄地の対策として民間事業者や農協との連携に期待の声が上がった。
さらに、コロナ禍における外食トラブルや医療支援が求められる状況の中、議会ではフードバンクの実施や会計年度任用職員の雇用など、具体的な支援策についても意見交換がなされた。
この会議は、コロナ禍での市民支援の在り方や、地域経済や生活に密接に関わる制度の見直し、また今後の地域共生社会の実現に向けた議論の深化を目的として開催されており、参加議員たちの熱心な議論が市の未来に向けた重要なターニングポイントとなることが期待されている。議会は、春日井市の持続可能で多様な支援体制の構築に向け、具体的で実効性のある施策を推進する必要があるとされている。