令和5年12月14日、春日井市議会定例会が開催され、一般質問が行われた。市民の交通ニーズに応えるため、新たな交通システムの導入が重要なテーマとして浮き彫りになった。
伊藤建治議員は、新たな交通システムとしてのAIオンデマンド交通に注目し、東京都豊島区での実証実験例を紹介した。このシステムは、予約不要でリアルタイムに配車が可能であり、交通弱者にとって高い利便性を提供することが期待される。伊藤議員は、他地域での導入事例を挙げ「このような先進的な取り組みを通じて市民の交通不便を解消すべき」と訴えた。
この提案に対し、まちづくり推進部長の加藤裕二氏は、北部オンデマンドバスなど地域のニーズに即した交通サービスの提供を目指し、先進的な事例の動向に注視すると述べた。しかし、既存事業者との連携や交通インフラの現状から新システムの導入には慎重さが求められる。
次の質問項目では、公共下水道事業についても議論がなされた。伊藤議員は、高額な整備費用の見通しについて考察し、特に上条地区での整備費用が当初見込みを上回ることを指摘した。上下水道部長の水野真一氏は、整備区域の選定には多様な観点が考慮され、一つの事業に対する予算配分が全市の財政に与える影響を考えていると説明した。
また、ヤングケアラー支援についての質問では、青少年子ども部長の塚本滋氏が、支援体制の強化を進める方針を示した。伊藤議員はヤングケアラーを対象にした全数調査の重要性を強調し、必要な支援が的確に実施されるべきだと述べた。彼は、現行の支援策の中で、特に「エンパワーメント家事支援を令和6年度から実施予定」との説明を受け、さらに具体的な施策展開を求めた。
出産育児支援に関する発言も含まれ、妊産婦医療費の助成に関しては青少年子ども部長が調査研究を進める考えを示した。この点に関して、伊藤議員は他市の成功例を挙げ、春日井市でも実施が望まれると訴えた。彼はまた、公共の場におけるおむつ交換台の整備状況を確認し、育児支援を進める中で男女共に子育てに参加しやすい社会の実現が今後の課題であると述べた。
最後に、外国人技能実習生についての質問では、実習生の失踪問題が取り上げられ、実効性のある対策が求められた。担当課は必要な情報が知らされることの重要性を認識し、困難な状況への対応を強化すると強調した。