令和2年6月30日、春日井市議会で行われた定例会では、アルコール依存症対策が大きな焦点となった。
26番の伊藤建治市議が提起したこのテーマにおいて、アルコール依存症患者の実態と必要な支援が議論された。日本には推計で約100万人のアルコール依存症患者が存在している。反面、専門医療機関の受診者は数万人に過ぎず、治療の機会に恵まれない人が多数いると指摘した。
春日井市民病院の丹羽教修市民病院事務局長は、現在、メンタルヘルス科でアルコール依存症患者への外来診療を行っているものの、専門外来についての設置は検討していないと回答した。また、春日井保健所には地域連携会議があり、関係機関間の情報共有が行われているとしたが、伊藤市議は市独自の連絡会議の設置を提案した。
次に、子どもに関連する問題として、「子どもの家」利用不許可についての状況が共有された。伊藤市議は370人が不許可だったこの件について、どのような対応をしたのか具体的な検証を求めた。青少年子ども部長の勝伸博氏は、利用を辞退した32名の理由を明示していないものの、利用者が少なくなる状況を受けて、支援が必要と強調した。
保育行政についても、育休退園の廃止が議題に上った。過去のデータから育休から戻った後に保育を希望する家庭が多いことが示され、アンケート調査を実施し、その希望を把握するべきだとの意見が出た。勝部長は、育休退園の問題を解消する作業が進行中であることを説明した。
さらに、太陽光発電所の設置に関する質疑も行われた。地元での発電施設の設置が行われていることに対し、環境保護の観点からの懸念も示され、特に洪水被害への対策が求められた。まちづくり推進部長の大島常生氏は、安装される設備が法令に基づき処理されていることを確認し、排水対策も適切に実施されることを示した。
最後に、移動支援と交通ニーズ調査についても意見交換がなされた。市民の多様な移動手段ニーズに応え、より良い交通施策を構築するために基礎データの整備が必要との意見が一致した。伊藤市議は、バスやデマンド型交通、更にはタクシーの補助など様々な手法を組み合わせた総合的な交通サービスの提案を求めた。
このように、議会内での意見交換は春日井市の様々な課題に対する具体的な解決策を探る重要な手立てとなっている。市は今後もこのような議論を通して、地域の実情にあった施策の実行を目指すとみられる。