令和5年9月27日、春日井市議会定例会が開催され、様々な議題が討議された。
議題の中で、特に注目を集めるのが市内の野生動物に関する問題である。議員の石田裕信氏は、春日井市内でのキツネの生息状況や寄生虫「エキノコックス」の危険性について言及し、情報提供の重要性を訴えたと述べた。石田氏はまた、ハクビシンやヌートリア・アライグマへの対応についても質問を行い、補助制度の創設を提案した。
環境部長の上田敦氏は、キツネの目撃情報が少ないことを認めながら、注意喚起の必要性を強調した。また、ハクビシンやヌートリアに関しては、農地の被害について対応していることを説明したが、補助制度創設の提案には否定的な見解を示した。
次の議題、一人暮らし高齢者への見守り支援について、健康福祉部長の神戸洋史氏が高齢者世帯が増加していることを背景に、地域の見守り体制構築の必要性を述べた。一方、石田氏は民間事業者の見守りサービス利用について、所得状況による制約を軽減するための補助システム導入を訴えた。
障がい児の登下校支援に関しては、石田氏が障がいを持つ児童に対する継続的な支援の必要性を指摘し、他市の成功事例を挙げ、春日井市でも柔軟な対応を求めた。これに対し健康福祉部長の神戸氏は、障がい福祉施策の全体的な見直しを進める考えを示した。
また、新型コロナワクチン接種後の健康被害に関する質問では、接種後に体調を崩した市民に対する情報提供の不足が指摘された。石田氏は、接種券の送付時に関連情報の同封を提案し、救済制度の周知に努める必要性を訴えた。
その他、義務教育費用の負担軽減に関する議論も行われた。保護者からの不満を背景に、制服や教材の負担軽減、さらには給食費の無償化に向けた取り組みの重要性が強調された。教育部長の西野正康氏は、無償化の進展状況を報告しつつも、予算の制約を理由に新たな補助制度の導入には慎重な姿勢を示した。
最後は、国の土地利用規制法に関する質疑が行われ、原田祐治氏が国に対する反対の意思表示を提案した。環境部長の上田氏は、法律の廃止や改正については国の議論に委ねるべきとの見解を示した。議会は、各議題に対して市民の生活にどう寄与するかを考えつつ、慎重に進められた。