令和2年9月10日、春日井市議会において、一般会計補正予算に関する質疑が行われた。コロナ禍の影響を受けた経済情勢が背景にあり、雇用の確保や企業支援の必要性が強調された。
特に、17番の末永啓市議は、令和2年度春日井市一般会計補正予算(第5号)に関して質疑を行った。愛知労働局が発表したデータをもとに、愛知県の有効求人倍率が全国平均を下回ったことを指摘した。これにより、地域経済が困難な状況にあることが浮き彫りになった。この背景のもと、早急な経済対策が求められていると述べた。
具体的には、予算案には1億5,000万円の設備投資特別促進事業が盛り込まれている。末永啓市議は、コロナ禍における企業訪問の必要性を訴え、地元企業のニーズを正確に把握するための調査活動の重要性を強調した。さらに、今回の支援額の妥当性についても疑問を呈した。何が必要で、どれくらいの助成で企業が回復するのかを明確にする必要があるという意見が出た。
経済対策の一つとして位置づけられる商工費のビジネスマッチング支援事業についても質問があった。この中でも新たな販路を開くための具体的な施策、どのような企業を対象とするのか、助成の具体的な根拠、また予算額の決定理由も問われた。事業の背景としては、既存取引先の受注減少に対する対策であり、地域の中小企業への支援を通じて再生の道を探る狙いが見透ける。
しかし、これらの施策が本当に効果的であるかは今後の検証が求められる。市民生活部長の冲中浩氏は、ビジネスマッチング支援が新たな販路拡大につなげられるよう努力する意向を示したが、具体的な成果や進捗についての報告が期待される。
また、第103号議案となる春日井市JR春日井駅南口一時保育室条例についても関心が寄せられ、多くの市民の期待が寄せられている。これは特に、育児支援と地域コミュニティの形成に資するものであり、市議会でも賛同の声が上がった。
他にも、不納欠損処分や市民病院、上下水道事業会計の決算についても詳細な質疑が繰り広げられ、議会における透明性と説明責任が求められていることが印象的であった。特に、不納欠損に関しては、管理・回収の基準が定まっていないことが指摘された。市は今後、適切な基準の整備や債権回収の強化を検討する必要があるとの見解が示された。
これらの質疑を通じて、春日井市が直面する課題や市民の声を反映した施策が今後どう展開されていくのか、注目される。