令和5年第1回議会では、江津市の2024年度一般会計補正予算など様々な議案が審議された。
特に注目されたのは、地域医療や子育て支援、空き家問題など地域の重要課題に関する提言と議論が活発に行われた。
この中で、山中財政課長が、補正予算に盛り込まれた総額171億4千万円余りに上る予算が、地域活動やセーフティーネットとして重要な役割を果たすことが期待されると述べた。特に小中学校におけるマスク着用の自由選択制に関する陳情が上がり、教育委員会に付託されるなど、現場の声が反映される流れも見られる。
地域医療の維持や確保についても、懸念の声が上がった。特に、済生会江津総合病院の医師確保の見通しについては厳しい状況が続いており、地域住民の安全を脅かす可能性がある。市長の中村中氏は、医療従事者の確保は最優先課題とし、島根県との連携を重要視すると述べた。加えて、地域住民への呼びかけと意識啓発を通じ、今後の医療体制の維持に向けた戦略を模索している。
また、江津市の子育て支援策について、議会では新たに実施を予定している出産・子育て応援給付金事業や新生児聴覚検査費助成事業などの具体的な施策が紹介された。多田伸治議員は、医療費助成の拡充が他市と比べて突出していないと指摘し、さらなる充実が必要との姿勢を示した。市としては、子育て層の負担軽減を目指し、積極的施策を進める意向を強調している。
さらに、地域コミュニティの活性化も主要なテーマとして議論された。特に、地域の担い手不足の問題は深刻であり、各地区での活動促進や、世代交代に向けた取り組みが急務とされている。地域コミュニティ組織とコミュニティ交流センターの役割を再確認し、住民自らが活躍できる場を整備する必要性が指摘された。
市では、地域活動の実績をデータ化し、地域住民の意見を基にした柔軟な施策の展開が求められている。市民にとっての「住み慣れた地域」という意味を問うていく中で、よりオープンなコミュニケーションを実現し、 信頼関係の構築が今後の課題となる。
こうした議論の中で新たに活気づく地域活動が期待され、江津市が直面する数々の問題に対処していく姿勢が示された。