令和3年9月24日に開催された江津市議会の定例会において、複数の重要議案と陳情が審議された。特に、事業主への国民健康保険の傷病手当金支給を求める陳情に対する討論が注目を集めた。
陳情第3号では、事業主が新型コロナに感染した場合に備え、傷病手当金制度を創設することを求めており、十分な議論を呼び起こした。建設経済委員会の委員長、鍛治恵巳子氏は、制度創設に伴う財源確保の困難性や公平性の問題を指摘。特に、個人事業主が収入減少を実証するのが難しいことから、制度設計そのものが難しいとの見解を示した。反対意見は、財源が厳しい自治体での制度設計は困難であるとのものであったが、賛成意見では、基金を取り崩してでも今やるべきこととの意見が出され、課題が明らかにされた。
議会での討論中、賛成討論を行った多田伸治議員は、傷病手当が必要との強い意志を示し、経済悪影響が増す中、個人事業主に対する支援策の必要性を強調した。一方、山根兼三郎議員は反対し、現行の政策支援が十分であると述べた。結局、陳情第3号は賛成少数で不採択となった。
次に、加齢性難聴者への補聴器購入費助成制度を求める陳情第4号が審議された。こちらも賛否が熱く交錯し、坂手洋介議員が、補聴器購入が高額なため、低年金層への助成が必要との立場を強調した。質疑では、補聴器の所有率が著しく低い現状は多くの高齢者にとって深刻な問題とされ、医療費抑制にもつながるとの説明が述べられたが、総務民生委員会による審査結果ではこちらも不採択となった。
議案については、特別職の職員報酬に関して条例改正が可決されたほか、江津市固定資産評価審査委員会条例改正案も可決された。また、江津市地場産業振興センターの条例改正案も審議され、サテライトオフィス開設に向けた活用が支持された。
さらには、令和3年度補正予算案も複数可決され、多くの自治体が直面している財政状況を考慮した施策が進められることとなった。特に、一般会計の補正予算が多額の金額を計上され、今後の施策に期待が寄せられる。各議案および陳情は、今後の江津市における施策の基礎となるものとされる。