令和元年6月の杉戸町議会議では、学校プールの状況や南側水路の整備、地域公共交通の充実など、多岐にわたる重要なテーマが扱われた。
特に注目されたのは、須田恒男議員が提起した「学校プールの現況について」の質問である。町内の小中学校には9つのプールが整備されているが、経年劣化が進行中であることが指摘された。教育次長の赤石二郎氏は、プールろ過装置の耐久年数が15年程度であることを言及し、多くのプールのろ過装置が既に設置から15年以上経過しているため、更新の必要が生じていると語った。しかし、更新には高額な費用がかかるため、修繕を優先して行う方針を示した。
また、南側水路に関する意見も多く出された。地域住民からは、悪臭や水の滞留が問題視されており、地域の安全と快適な生活環境を守るため、早急な対策が求められている。都市施設整備課長の千葉祥氏は、南側水路の未整備区間についての整備計画を語り、限られた予算の中で整備を進めていくと強調した。
さらに、地域公共交通の充実については、阿部啓子議員が巡回バスの運行見直しに関する質問を行った。パブリックコメントを受けた結果、町の巡回バス運行に対する意見が寄せられ、利便性の向上が求められた。住民のニーズを把握し、適切な運行計画を実施していくため、実証実験の必要性が強調される一方で、現在の運行形態が町民にとっての利便性を引き下げることになるのではないかとの懸念も示された。
この議会を通じて、杉戸町の教育委員会や地域交通政策における課題が明らかになり、今後の方針や具体的施策の提案が期待されているといえる。議員たちは、町民の声に耳を傾け、より良い施策を展開していく必要があると再確認した。