越生町議会は令和5年第2回臨時会を開催し、重要な議案を審議した。
特に目を引くのは、議案第29号による訴えの提起についてである。新井康之町長は、被告の平物産株式会社に対して、町が所有する河川の無断占有に関し訴訟を行うことを提案した。被告がヒューム管を無許可で埋設し、河川内に工作物を設置していたため、越生町はこれまでに再三通知と指導を行ったが対応がなかったとのことだ。町長は、「河川の原状回復を求め、訴えを提起することを決定した」と説明した。
質疑の中で、1番議員の岩田眞一氏は、町による通知の回数を尋ね、町は61回以上の指導を行ったと報告した。また、不法占拠に係る請求について徹底的な確認が求められた。田中広まちづくり整備課主席主査は、損害賠償請求において、不法占有の面積を356平方メートルと試算したことにふれ、具体的な数字を示した。
次に議案第30号、令和5年度一般会計補正予算(第3号)も審議され、歳入歳出合計が44億1,540万円に増額されることが説明された。新井町長は、「訴訟用費用550万円を含めた補正予算を提案し、町民の財産を守りつつ河川の管理を徹底する計画である」と述べた。
町は新たに訴訟を巡る弁護士費用を予算化し、法的手続きを進める姿勢を示している。議会では異議もなく、両議案は原案通り可決された。議論の合間には、議会運営委員会の閉会中の調査及び審査に関する確認も行われ、活発な意見交換が見られた。今後、越生町が一層厳格に河川管理を進めることが期待される。