令和6年6月6日、宮代町議会は第2回定例会を開催した。議会では議事日程の報告の後に一般質問が行われ、金子正志議員が主に財政関連の問題を取り上げた。特に、法人住民税や普通交付税の推移について質問が集中し、その中で宮代町の低税収が指摘される場面があった。
金子正志議員は、特に法人住民税について言及した。地域の経済環境を反映しているとし、他の隣接する自治体と比較した際の税額の低さを強調。この点に関し、税務課長の伊東高幹氏は、令和五年度の法人町民税額が2,963円であると説明。また、宮代町が法人住民税の面で苦境にあることについても、懸念が示された。
次に、金子議員は普通交付税の推移を取り上げた。普通交付税は、自治体間での財源の不公平を解消するための重要な役割を果たすことから、その変化について過去数年に遡り詳細なデータを求めた。教育長の中村敏明氏は、平成22年時の財源不足額について説明し、宮代町の厳しい財政状況を改めて明らかにした。
人口の推移についても質疑が行われ、現状の厳しい状況が浮き彫りにされた。若年層の人口減少に伴い、特に子育て世代に対する支援の充実が求められているとの意見も出た。金子議員は、「財源確保が求められる中で、高齢者層への財政支援も重要である」と述べた。
さらに、公共交通に関する質疑も行われ、循環バスの運行状況やその課題に関する現状が報告された。特に、運転手不足が深刻化していることから、対策が必要であるとの見解が示された。町当局は現状の運行体制の見直しに着手している模様であり、地域に即した柔軟な対応が求められている。
金子正志議員の一般質問は、町の財政状況の厳しさを改めて確認するものであり、今後の方針に大きく影響を与える内容となった。宮代町の財政、特に税収の強化策や公共サービスの持続可能性について、引き続き議論が必要である。今後の議会でもこの問題が中心課題として取り上げられることが期待される。
そして、野原洋子議員も一般質問を行い、いじめ防止に関する取り組み状況など、教育環境の改善について意見を述べた。教育推進課長の田中啓之氏は、いじめ問題の認知件数やその対策について具体的に説明した。その中で、町の取り組みが一定の効果を上げていることを報告したが、未解決の事例も多く残されていることが懸念材料として残った。教育委員会においては、さらなる改善に向けた努力が必要であることが示唆された。
このように、今回の定例会では、財政、教育、公共交通といった幅広いテーマが議論された。その中でも特に目立ったのは、財政的な課題と公共サービスの持続性の確保が重要であるとの認識である。今後の町の政策において、これらがどのように反映されていくか注視される。