令和2年6月の宮代町議会定例会が開催され、中島出張所の存続を求める請願が議題に上がった。
本請願については、丸藤栄一総務文教委員長が報告を行った。請願には、中島出張所の存続を求める会の代表らを含む1,923人の署名が添えられた。請願の趣旨について、委員は住民合意の有無に疑問を投げかけた。これに対し町長は実際に地域住民との話し合いや理解促進を図っていたことを強調し、丁寧に説明を続けていく必要があるとの見解を示した。
一方で、議会内では反対意見も相次いだ。泉伸一郎議員は、消防の広域化が進む中、再編によって消防力が強化されることを述べた。出動効率に関しても、杉戸署からの駆けつけによる迅速な対応が実現可能であるとの見解を示した。これに対し、金子正志議員などは、中島出張所の廃止による消防力の低下を懸念し、否定的な見解を述べた。特に、住民の安全と迅速な救急対応の必要性が強調された。
質疑応答では、各議員が請願に関して様々な観点から意見を交わした。特に、消防力強化に向けた具体的な施策として、署員体制の見直しや効率的な運用が挙げられた。丸山妙子議員は、中島出張所の重要性を認識しつつも、周辺地域への影響への考慮を要望した。最終的に、請願に対する賛成票と反対票が交錯し、採決の結果、本請願は不採択となった。
この決定を受けて、住民の意見がどのように反映されるかが今後の焦点となることが予測される。議会運営において、今後も丁寧な説明と住民との対話が求められるが、地域住民のニーズに応じた対応が課題として残る。