令和5年6月、三郷市議会定例会が開催され、市政を巡る重要なテーマが議論された。特に、一色雄生議員が提起した人事制度や市民とのコミュニケーションに関する質問が注目を集めた。
一色雄生議員は、昨年の質問に続き、ゼネラリスト型とスペシャリスト型の人事について言及した。彼は、総務省の報告書を引用し、地方公共団体が抱える課題について経緯を詳細に説明した。この報告書によると、地方公共団体は民間企業に比べて組織目標や成果がわかりにくく、職員のキャリア形成に関してもさまざまな問題が存在するという。
さらに一色議員は、スペシャリスト型人事の必要性を強調しながら、具体的な定義を示した。この定義が明確になることで、今後の人材マネジメントにおける方向性が明らかになることが期待されている。木津雅晟市長は、職員の人事異動が適切に行われていることを述べ、各部署の特性に応じた人材配置が行われている状況を説明した。
また、議題には市民とのコミュニケーションも含まれていた。一色議員は、現在三郷市が運用しているアプリの状況について質問し、導入費用や運用状況を確認した。市からの答弁では、「ポケットみさと」アプリが導入費698万円で、月間19万閲覧数を記録していることが報告された。市民生活向上のためには、アプリの有効性をさらに高める必要があるとの意見も交わされた。
市民からの双方向コミュニケーションの強化策についても討論された。市川市での事例を基に、LINE公式アカウントを活用した情報発信や市民からの意見収集を行う必要性が指摘された。日暮義一企画政策部長も、LINE活用の方向性について前向きに取り組む姿勢を示した。
さらに、まちづくりについても議論された。議員はSWOT分析の活用や、地域の活性化に重要であるとする意見を表明した。市長は、現状分析を踏まえた上で地域の魅力を生かしたまちづくりを進めていく考えを示した。
結果的に、議会では市の施策や今後の目標について具体的な見解が明らかになり、議員からの提案や市長の答弁によって市政運営への新たな視点が求められるきっかけとなった。これからの三郷市の展望が気になるところである。