令和5年9月21日、深谷市議会は定例会を開催し、さまざまな議題が取り上げられた。特に注目されたのは、害虫被害と防災意識の醸成、そして学校給食のオーガニック化に関する議論である。
最初に触れられたのは、クビアカツヤカミキリによる被害についてである。深谷市内では、この駆除問題が深刻さを増しており、特に桜やスモモ、桃に被害を及ぼしている。市民からの相談件数は年々増加しており、令和4年度には82件、令和5年度には137件に達した。市は、住民に対して周知を強化し、具体的な対策として被害樹木への薬剤注入を行っている。
続いて、防災意識の醸成について議論が行われた。審議では、地域の自然災害伝承碑が有効なツールであるとの意見が挙がり、現在確認されている4か所の伝承碑が紹介された。これらの碑は、過去の災害についての警鐘として重要であり、今後さらに市民へ周知するための活動が求められている。
また、学校給食のオーガニック化に関する議論も焦点となった。深谷市は地元産の食材を学校給食に取り入れる方針であるが、その割合は約23%にとどまっている。有機野菜の導入については現在の流通の状況から困難との見解が示されたものの、他市の取り組みを参考にしながら調査を継続していく意向が表明された。
この他、有機・特別栽培農業の推進についても話し合われ、市における補助制度や農家の実績データの把握状況が説明された。市は今後も有機農業の振興とともに、地域ぐるみの取り組みの重要性を強調し、市民への教育の必要性を認識している。
議会では、防災や環境問題に対する意識を高め、市民参加型のアプローチによる取り組みの強化が求められている。