令和3年3月15日、深谷市議会は第1回定例会を開催し、市政一般に関する質問が行われた。
議員の湯本哲昭氏は、ケアラー支援制度についての質問を行い、埼玉県におけるケアラーの認知度が低い現状を指摘した。前回の調査によると、ケアラーという言葉を全く知らない人が65.4%であり、ヤングケアラーに関しても、71.0%が知らないとの結果が示された。この問題に対し、湯本氏は、行政に頼れない状況にあるケアラーへの支援が重要であると述べた。
続いて、新井進福祉健康部長は、埼玉県ケアラー支援条例について説明した。この条例は、ケアラーを支援対象とし、社会的課題として捉え、支援体制の構築を目指していると強調した。また、埼玉県では、ケアラーの実態調査が行われ、若者ケアラーの数が4%にのぼることが確認された。他方で、深谷市でも、現状の把握に努めているが、具体的な調査はまだ行われていないことを説明した。
さらに、ヤングケアラーに対する取り組みについても言及され、深谷市と埼玉県の動向を連携し、支援体制の構築を進めることが確認された。特に、福祉と教育の連携を強化し、学校における周知活動を進める必要性が指摘された。
その後、永田勝彦議員の発言に移り、深谷市の歴史や食を楽しむ観光コースの作成について問われた。議員は、花園アウトレットモールの開設を受け、深谷市の観光資源を有効活用すべきだとの意見を述べた。具体的には、渋沢栄一を中心とした観光ルートの提案がなされ、地域住民からの意見を取り入れたコース作成の必要性が強調された。
飯野勇人産業振興部長は、観光施策として「深谷えん旅」事業を進め、市全体をテーマパークとして位置付ける考えを示した。これにより、観光客の市内回遊を促進し、地域の農業や食文化への理解を深めることを目指している。