今回は、3つの重要な課題について行政側の見解が示された。
まずは、生活保護の要否通知についてである。深谷市の原常博福祉健康部長は、生活保護法に基づき、保護の要否通知は原則14日以内となっていることを説明した。また、特別な理由があれば30日まで延長が可能であるとした。しかし、令和3年度の通知の実績に関するデータが示され、14日以内に通知できたのは40.5%、30日以内に通知が至ったのは58.8%であり、通知が30日を超えた事例もあったと認める状況を説明した。通知の遅れが見られる要因として、遠方にいる扶養義務者の調査や預貯金の確認に時間を要することが挙げられ、それにより迅速な対応が難しい点についても認識しているとのことだった。原部長は、今後も迅速な対応に努める意向を強調した。
次に、障害者向けのハザードマップの作成や外国語版ハザードマップの必要性についての質問があった。この点に関しては、深谷市内での障害者へのケアが不足している実情を鑑み、公的な取り組みが期待される。その上で、外国語に対応したハザードマップが存在しないと、特に外国籍住民に対する防災情報が不十分であることが指摘された。これに対し、高野消防本部次長は、障害者向けハザードマップの作成についてはまだ未検討であるとし、今後の必要性について改めて協議していく必要があるとの見解を示した。
最後に、米価の下落対策について、鈴木三男議員が強い懸念を示した。現在、米価格の大幅な降下が進む中、農家の事業継続が難しい状況を受け、深谷市としても何らかの支援策が求められると訴えた。佐藤産業振興部長は、深谷市は多様な農業経営がなされているため、米作農家のみに特化した支援策を見直す方向はないとの立場を明らかにした。
このように、深谷市内での多様性や特定の課題解決に向けた対策について様々な意見が交わされた。特に、生活保護に関連する速やかな判断基準及びハザードマップ 策定の進捗については、市民の生活の安定に深く関わるため今後も注視が必要である。合わせて、米価下落対策に関する支援についても、農業の持続可能な形を目指すためのさらなる検討が求められそうである。