令和5年3月1日、河内長野市議会第1回定例会が開会した。
本定例会では、島田智明市長が、提案する31の議案についての説明を行った。 大きなテーマとして、河内長野市では新たに3月4日に運行を開始する南花台モビリティ「クルクル」条例の制定が取り上げられた。この取り組みは、地域の高齢者や移動に困難を抱える市民のための交通手段の確保を目的としており、今後の実証事業を経て本格運行に向けた期待が寄せられている。
また、個人情報保護に関連する新条例の制定についても、多くの議論が反映されている。宮本哲議員は、「国や自治体が持つ個人情報の適正な保護が重要であり、議会としても共通ルールを制定する必要がある」と強調した。これに対して、議員たちからも賛同の意見が多数寄せられ、最終的には原案通り可決した。
加えて、市長は令和5年度の当初予算案についても語り、全体像として390億7400万円が見込まれていることを示した。歳入予算では市税収入が118億2036万円を計上しており、経済の持ち直しが期待される。しかし、依然として少子高齢化や人口減少が予算の大きな課題となっている。
市長は、地域通貨を用いた経済振興策や新しい教育環境の整備が市民生活の質を向上させると述べ、特に子育て支援事業の拡充が重要であるとの見解を示した。子ども医療費助成を18歳まで拡大する方針や、新生児聴覚検査の助成制度導入計画にも注目が集まっている。
今後の課題として、議会は議案一つ一つの討議を経て、地域課題の解決に向けた取り組みを続ける方針である。市民からも引き続き、具体的な意見や要望が求められる中、活発な議論が展開されることが期待されている。