令和5年9月12日、東松島市議会において、災害対策や観光振興に関する重要な議題が取り上げられた。特に、中江川の排水機能強化に関する議論が焦点となり、地域住民からの要望が高まっている。議員からは、冠水対策としての浚渫についての進捗や、具体的な改善策が提起された。特に、昨年の豪雨での影響を踏まえ、調整池や排水機場の機能を向上させる計画が進行中であることが報告された。
市長の渥美巌氏は、過疎地域としての特性を活かした水害対策の重要性を強調し、特例として設けられた排水機場の機能強化について具体的な計画を示した。市長は「流域全体での水害対策が重要」と訴え、流量を増やすための取り組みが進められていることを述べた。
また、デマンドタクシーについても日曜・祝日の運行ニーズが高まっている。市内の高齢者からは、通院や買い物の際、デマンドタクシーの利用が生活の支えとなっているとの声が上がっている。これに対し、市長は「利用者アンケートを通じて実態を把握し、必要に応じて運行日数を見直す」と述べ、柔軟な運行体制を検討する意向を示した。
さらに、野蒜海水浴場の運営についても議論が展開された。利用者が減少している一因として、近年の気候変動や生活様式の多様化が挙げられた。市長は「今後はビーチスポーツに特化した活用を目指す」と明言し、地域の特性を生かした新たな観光資源としての魅力向上を図る考えを示した。
これに対し、議員からは「今後の運営計画や観光資源としての位置づけを明確にしてほしい」との意見が出され、地元の観光協会との連携が鍵であるとの指摘があった。
全体として、東松島市は、地元の特性を生かしつつ、水害対策や観光振興に関する取り組みを進め、地域住民の安全を確保しながら、充実した市民サービスの向上を図っていく方針を示している。