東松島市における人口減少への対策策は、若い世代の移住促進が鍵となっている。特に、安価な住宅地の提供が重要視されており、現在進められている市街化区域の拡大が期待されている。市長の渥美巖氏は、現計画においても、住宅地を確保するため、土地所有者との意向確認を行う段階にあると発表した。
市は、令和２年国勢調査からの人口減少を踏まえ、矢本、大曲、赤井地区の各地域において住宅地の開発を進めている。特に矢本西地区では、都市計画審議会を通じて前向きな意見を受け、今後県と協議を進める方針だ。これにより、新たな住宅地が確保され、若い世代の定住が促進されることが期待されている。
さらに、空き家バンク事業においては、19物件が登録され、そのうち17件が成約に至った。この制度は、有効活用を目指しており、今後も定住促進の一環として強化される見込みである。市では、空き家の改修支援策を拡充し、登録物件の増加を目指している。
私立日本ウェルネス宮城高等学校の設立によって、地域の活性化も期待されている。学校は、硬式野球部を含む多くの部活動を展開し、地域イベントにも積極参加している。この活動により、地域との交流が深まり、学校への入学希望者が増加することが期待されている。
加えて、東松島市の教育施策は、幼保小中高の連携の強化が図られている。学校教育と子育て支援が一体となり、子供たちの健やかな成長をサポートすることで、将来的な人口増加につながる可能性がある。市では新たな組織改編も視野に入れ、教育環境の充実を図る方針だ。
これら一連の取り組みが、若い世代の定住促進、人口減少の歯止めに寄与し、東松島市の持続的な発展に繋がることが期待されている。市長は今後も地元の声を反映しつつ、現状の施策を見直すべく、真摯に取り組む意向を示した。