令和4年9月12日に行われた京田辺市の定例会では、市民生活に密接に関係する諸課題が議論となった。特に注目されたのは、デジタル社会の実現に向けた高齢者向けスマホ教室の進捗状況や、行政手続きのオンライン化に関する質問であった。
質問を行った公明党の向川 弘議員は、デジタル機器に不慣れな高齢者への支援としてスマホ教室の実施状況を尋ねた。市長の上村 崇氏は、来る11月にいきいきサポートセンターで講座を開始する予定で、メールやSNSの扱いについても学べる内容だと述べた。加えて、デジタル技術を活用したオンライン申請の状況について、現在1,100種類の申請を取り扱っているが、そのうちオンライン申請が可能なのはわずか1種類に留まっていると報告した。不便を感じる市民に向けては、リモートでの支援も検討している。
次に、帯状疱疹ワクチン接種への助成についても議論となった。向川議員は高額なワクチン接種費用に対し、公費助成についての市の見解を問うと、市長は国の見解次第であり、現状では助成を実施していないと答弁。ワクチンの需要が高まるなか、市独自で助成を実施する必要性が求められている。
さらに、市民まつり「たなフェス」の開催概要についても質問があり、感染対策を徹底した上でのイベントの実施が求められた。市長は、地域に根ざした文化交流を促進するために重要な行事であると強調し、期待される成果を語った。
このほか、学校施設の安全性や新型コロナウイルス感染症対策、物価高騰に関連する支援策についても多くの意見が提出された。特に急激な物価上昇に対し、具体的な対策を迅速に実施する必要性が強調され、固定資産税や上下水道の料金軽減などが提案された。
最後に、増富理津子議員は高齢者の難聴支援について、補聴器購入助成制度の設計を促進すべきとの見解を示した。このように、定例会では市民の多様な声を反映した具体的な提案が数多くあり、市当局には重い責任がのしかかっている。今後ますます増加する高齢者、特に難聴の影響を受ける市民の健康を守るためにも、実効性のある支援策が早急に求められる。