令和元年12月10日に、宇城市議会で行われた定例会では、一般質問が行われ、市民病院の現状について特に注目が集まった。
一般質問を行った髙本敬義氏(議員)は、熊本地震以降の地域医療の維持について質疑した。彼は、厚生労働省が公表した公立・公的病院の再編・統合に関するデータを引用し、宇城市民病院もその再編対象に含まれていると指摘した。
髙本氏は「執行部は、熊大病院の支援を受けつつ、地域医療の維持方針を強調しているが、地域住民の不安も広がっている」と述べ、その上で県との連携についても質疑した。市民病院事務長の伊藤博文氏は、県が地域医療構想を進める中で、医療機関の統廃合に関する問題が市民に不安を与えているとし、現時点では、医療機関の役割の再検証が行われると説明した。
また、髙本氏は医師の確保問題についても言及し、「特に常勤医師の確保が難航している。このままでは地域医療に深刻な影響を与える危険がある」と警鐘を鳴らした。市長の守田憲史氏は、「熊本大学と連携した医師確保に努めているが、医療環境が厳しい中、容易ではない」と述べ、引き続き努力する考えを示した。
さらに、市民環境部長の稼隆弘氏は、フードロス・ゼロプロジェクトなどごみ削減に向けた取り組みを紹介した。特に、「フードロスの削減は、環境意識の向上につながるため、一人一人の取り組みが不可欠である」と強調した。
議会では、他にも宇城市職員の給与改正、消防団条例の改正、一般会計補正予算など多くの議案が審議されたが、市民の生活に直結する医療問題や福祉サービスの充実に関する質問が多く、地域住民の関心の高さが窺えた。このような議論が行われることで、引き続き住民が安心して生活できる環境整備へ向けての取り組みが進むことが期待される。