令和5年6月、宇城市議会において重要な一般質問が行われた。議員らは教育環境や農業問題、福祉サービスの向上、企業誘致について代わるがわる意見を述べた。
特に注目されたのは、教育環境についての質疑である。豊田紀代美議員は宇城市立豊福小学校における耐力度調査の結果を挙げ、校舎のほとんどが老朽化しているため、早急な対応が必要であると強調した。教育部長の豊住章君は、調査によれば8棟中7棟が国庫補助の基準を下回っているとの中間報告があり、結果を早急に分析すると述べた。市長の守田憲史君も、新築建替えに向けた検討を行っていることを示し、松橋中学校の校舎建替えを優先するとコメントした。地域の教育環境の向上が子どもたちの未来に直結するとの意見は多く聞かれた。
また、農業問題に関しても議論が盛んだった。特に豊田議員は、地元の農業の未来について言及し、地域おこし協力隊の農業への活用を提案した。経済部長の浦田敬介君は、他市の成功事例を挙げながら、経済的な支援が不可欠であると述べた。本市の特産物としての三角ガキや不知火菊のブランド化についても言及され、地域資源の魅力を最大限に引き出すことが期待されている。農業従事者の高齢化が進む中、後継者確保が求められ、新規就農者支援への取り組みも必要であるとの声が上がった。
障がい福祉サービスについては、福井美穂議員が気になる現状を報告した。特にヘルパー不足や、医療的ケアが必要な重度心身障がい者の支援体制に関して問題提起がなされた。福祉部長の岩井智君は、介護ヘルパーの増員が急務であり、適切な処遇改善のための取り組みを進めていくことが重要であると応じた。また、ショートステイ制度の利用状況が改善傾向にあることも報告された。
企業誘致については、守田市長がTSMCの進出に伴う経済効果に期待を寄せ、市内企業へのサポートを強化する方針を示した。新たな企業誘致や地域経済活性化に向け、スピード感を持った対応の必要性が指摘された。市としての施策を強化し、地域の魅力を発信し続けたいとの決意が伝えられた。
このように、宇城市では教育、農業、福祉、企業誘致の各問題に対して、多面的に取り組む姿勢が示されている。子どもたちの未来を見据えた施策は、市民からの期待が高まっている。行政がこれらの課題に対処するためにどれだけ早く、効果的に行動できるかが、地域の発展に直結することが強調された。