令和元年の宇城市議会定例会では、老後資金問題や市の職員数減少に関連する議論が行われた。この中で、特に注目されるのは、職員数の変化に対する見解と各支所の運営方針である。
質問の一つに、老後資金2千万円が不足するとの報道があり、これについて原田 祐作議員は「国は自助を促しているが、その背景にはタンス預金がある」と指摘した。政府が国民に対して自己投資を呼びかける流れは、資産形成の観点で問題があるとし、国民の誤解を解く努力が必要と強調した。
次に、職員数の減少が懸念される中、原田議員は本庁と支所の運営方針について具体的なデータを求めた。答弁したのは総務部長の成松 英隆氏。「合併時の正規職員670人から498人に減少した」と述べ、効率化の取り組みを説明した。一方で、来年度の採用予定人数は24人で、新たな人材確保が急務であることが示された。
さらに、職員一人当たりの占有面積についての質問もあがり、会議室や資料室を含む労働環境の改善に向けた具体的な数値が提供された。各支所の運営に関しては、それぞれの職員数と併せ、支所ごとの面積の問題が議論された。三角支所や小川支所では、職員数の減少が進んでいる中で、施設の利用効率についても意見が交わされた。
生ごみの処理に関しても議論があり、宇城市では電動生ごみ処理機の助成制度を設けているものの、周知が不十分との声が上がった。市はさらなる広報活動を行い、制度の充実を図る考えを示した。
加えて、子ども医療費の無料化についても注目が集まった。中学校卒業までの無料化が一般的であるのに対し、高校生までを無料化する体制が他市と比べて遅れている点が指摘され、市長もその重要性を認識している様子であった。県内の他市の取り組みを参考にしつつ、宇城市も対応を検討するものである。
これらの議論は、宇城市の未来に向けた重要な戦略を構築する上で欠かせないものである。議会での意見交換を通じて、地域全体の合意形成が進むことが期待される。