令和2年6月18日、花巻市で開催された定例会では、補正予算や条例改正など複数の議案が承認された。中でも、新型コロナウイルス感染症に対する支援策として提案された「令和2年度花巻市一般会計補正予算(第7号)」が特に注目を集めた。
財務部長の松田英基氏が発表したこの補正予算は、歳入歳出予算の総額に約5億8,687万4,000円を追加するもので、主に新型コロナ関連の支援事業に特化している。これにより、歳入は合計で588億9,866万6,000円となる。
松田財務部長が強調したのは、新型コロナによる影響を受けた事業者を支援するための施策である。特に、中小企業持続支援事業費では、QRコード決済を利用した消費の喚起が行われ、ポイント還元制度によって事業者の売上向上を図る。市内事業者からはすでに好評を得ており、今後の経済効果が期待される。
質疑応答では、議員からこの支援事業に対する意見が寄せられた。近村晴男議員は、「この制度の対象店舗はどのように選定されるのか」と質問し、商工観光部長の志賀信浩氏は、「対象店舗は事前の販売促進研修などを経て、地元店舗に絞り込みを行う」と回答した。
また、櫻井肇議員は新たに開設される臨時診療所についても言及し、市民がアクセスしやすいように周知徹底することの重要性を指摘した。これに対し市長は、「市民に対しては、幅広く情報を提供し、必要な支援を迅速に行うよう努める」と答えた。
また、今年度に新たに設立される「がん患者医療用補正具購入支援事業」についても言及された。対象者は約40名を見込んでおり、上限は2万円であるが、上半分は県からの出資があるため、市の負担は1万円になる。対象は医療用とされ、一般のウィッグは対象外であることが強調された。
この会議を通じて、市として新型コロナ対策の一環として市民に向けた支援策の実施が強化されることが期待されている。参加した議員はこの計画に賛同し、今後の対応に期待を寄せた。