令和元年12月11日,水戸市において第4回定例市議会が開催された。この議会では,水戸市が抱える様々な重要な課題が取り上げられた。特に認知症対策や新たなごみ分別収集の進捗状況についての議論が注目を集めている。
松本勝久議員は,認知症対策について質疑を行った。議員によれば,近年,認知症患者の数が増加し,2025年までに700万人に達する見込みであるとのこと。現在の水戸市における認知症の高齢者数は,国の推計を基に約1万人とされている。この議員は,水戸市が認知症患者に対して何らかの補償体制を築く必要があると指摘した。
これに対し,保健福祉部長の大曽根明子氏は,市では既に認知症施策の推進に取り組んでいると強調し,認知症の理解促進や早期発見のためのセミナーを実施していることを詳述した。特に,認知症リスクを早期に発見するためのチェックセミナーでは,市民から好評を得ているとのことである。さらに,認知症の人々を支援する施策として,地域における見守り体制の強化も進めている。
また,松本議員は認知症患者による事故が他者に多大な損害を与えるケースが増えつつあることを懸念し,水戸市が保険会社と契約を結ぶ必要性を訴えた。大曽根部長は,その必要性を認めつつ,まずは地域見守り体制を整備することが重要だと述べ,今後の検討を約束した。
次に,新たなごみ分別収集の現状に関する報告も行われた。市民からの反応として,分別が複雑になったことへの不安が寄せられている。生活環境部長の川上幸一氏は,住民説明会を開催しており,分別ルールの周知徹底に努めていると説明した。特に,高齢者や外国人居住者に対する配慮が今後の課題となる。
最後に,交通安全対策について,森正慶議員が質問をした。特に,通学路の交差点における危険性が指摘され,歩行者の安全確保が求められている。生活環境部長は,交通渋滞や事故リスクを緩和するための対策を進める考えを示した。