令和3年9月17日、大子町議会の定例会が開催され、多数の議案が審議された。
特に注目を集めたのは、袋田防災センター建築工事の変更契約に関する報告である。財政課長の飯岡隆志氏は、設計の部材確保が困難となり、代替の柱脚金物へ変更したことなどを説明した。設計段階では自然石の使用が予定されていたが、部材の手配がつかず、通気性を確保するため窓の形状も見直した。この変更はコロナ禍における施設利用を考慮したものとされている。
また、過疎地域における固定資産税の課税免除に関する条例案が原案通り可決された。これにより、地域の持続的な発展を促進する方針が示された。議長の齋藤忠一氏も、税制改革による地域活性化に期待を寄せている。
さらに、長年の課題となっていた大子おやき学校の指定管理者の移管が行われることになった。一般社団法人大子町振興公社が管理を引き受け、地域おこしや販路拡大に期待を寄せている。観光商工課長の田那辺孝氏は、伝統を守りつつ新たな商品開発にも積極的に取り組む後押しが必要と発言。また、職員の雇用も振興公社に引き継がれる見通しである。
この他にも、令和3年度の一般会計補正予算や健康保険事業特別会計の補正予算も可決されるなど、町の財政は一定の方向性が示されている。
最後に、コロナ禍により厳しい財政状況への対応として、地方税財源の充実を求める意見書も可決し、現状分析と今後の展望に向けた重要な議論が交わされた。