令和2年2月19日に開催された大子町議会定例会では、地域の重要な議題が取り上げられた。
特に新庁舎の建設に関する議論が注目を集めた。15番議員の吉成好信氏は、「新庁舎建設が進む中、アクセスの問題が高齢者に影響を及ぼす可能性がある」と指摘し、具体的にはシャトルバスの運行や分庁舎設置の提案を行った。吉成氏は、旧大子二高のグラウンドへの建設が進められていることを踏まえ、新庁舎が高台に位置する利点を認めつつも、住民へのアクセスの改善が不可欠であると強調した。
これに対して、副町長の赤津康明氏は、ワークショップを通じて寄せられた住民の意見を紹介し、中心市街地への分庁舎機能を検討していることを明らかにした。「中心市街地の活性化も視野に入れ、町民の利便性を高める方策を進めている」と述べた。
さらに、予算についても吉成氏は言及し、「令和元年度の災害による被害総額が58億を超える中、この予算をどう処理するのか」と語り、行政の透明性や住民への情報提供の重要性を訴えた。町長の高梨哲彦氏も、被災者への支援に全力を尽くす姿勢を見せ、今後の支援策について具体案を示すことをお約束した。
また、大子駅前の開発についても議論が進んだ。吉成氏は、町のイメージを向上させるため、「空き家を買い上げ、町のお土産品を売る店舗にしてはどうか」と提案した。町はその後の議論を踏まえ、駅前の空き家問題に対応するため、新たな施策を検討していく方針を示した。さらに、観光振興や移動販売についても関連議題が浮上し、地域資源を最大限に生かす方策が議論された。
これらの議題は、今後の大子町の発展に影響を与える重要な問題であり、関係者は早急な対策を求めている。特に地域住民の声を反映することが、今後の施策において不可欠であるとの意見が共通して見られた。