令和2年2月、大子町議会定例会が開催され、農林業の振興、まちづくり、防災対策についての議論がなされた。
鈴木陸郎議員は、農林業の振興に関する質問を行った。具体的には、農家数や認定農業者数を挙げ、認定農業者数は82名となり、法人数は13経営体であると説明された。農林課長の円谷肇氏によると、大子町の農業の総生産額は、平成29年度で40億5,000万円に達し、米や野菜、リンゴなどが主要な収益源であった。ただし、農業従事者の高齢化や後継者不足が深刻な状況にあると指摘された。
さらに鈴木議員は、和牛の問題についても質問。この地域では和牛の飼育頭数が減少している中、県の支援策について言及した。農林課長は、県の方針に基づく繁殖雌牛の購入補助などが期待できるとして、「積極的に推進してまいりたい」と述べた。
次に、今後のまちづくりについての質疑も行われた。高梨哲彦町長は、「日本一幸せな大子町づくりを目指している」と強調し、子どもや孫にとっても幸せな生活が実感できる町の将来像を描くことが必要と述べた。特に地場産業の振興や住みやすい町づくりを進めていきたいと語り、来年度予算案には安心・安全な町づくりに向けた施策を位置付けるとした。
防災・減災対策についても重要な議題として取り上げられ、総務課長の椎名信一氏は、今後の防災体制の強化を図るための方策を示した。過去の災害からの学びもあり、地域住民との連携を重視した災害備蓄品の整備を進める考えを述べた。さらに、地域に応じた避難所の見直しも必要とされ、避難者数が増加している現状を反映させたいと強調されている。
今回の議会では、特に農林業や防災対策の重要性が改めて認識され、地域の将来を見据えたさまざまな施策が提案された。議論は白熱し、円滑に進行していたが、今後の取り組みに対する期待が寄せられている。