令和3年第3回大子町議会定例会が開催され、一般質問において、イノシシ肉の利活用や公共交通機関の利活用など、多岐にわたる課題が議論された。
最初に、飯村剛議員がイノシシ肉の利活用に関して質問した。イノシシによる農作物の被害が深刻化し、捕獲の取り組みが進められている。農林課長の矢田部信彦氏によると、イノシシの捕獲は令和2年度において1735頭に上り、その報奨金は成獣1頭につき1万6千円、幼獣1頭につき1万3千円という金額が設定されている。また、飯村議員は、イノシシの処分を埋却や焼却処分だけでなく、地元特産品としてのジビエ料理に転換することの重要性を訴えた。
次に、公共交通機関について議論が行われた。飯村議員は、AIタクシーの実証実験を経て、10月から本格運行が開始されることを伝え、町民にとっての利便性向上を願った。まちづくり課長の川又健氏は、運行日は火曜日と水曜日から月曜日、水曜日、金曜日の週3日へ変更し、運賃設定も行ったと報告した。特に高齢者にも配慮した利用しやすいシステム構築の必要性が強調された。
また、川井正人議員からは新型コロナウイルス感染者対策に関する質問があり、自宅療養者への支援体制について確認し、健康増進課長の菊池光子氏は、町では対応が進められていると述べた。さらに、感染拡大防止策としてのPCR検査の実施が求められ、町の方針が伝えられた。特に、ワクチン接種の進展が期待され、さらなる感染対策が必要である旨が強調された。
次に取り上げられたのはジビエ料理の推進である。この件に関して、川井議員は、イノシシ肉の販売促進や活用策についての提案を行い、観光商工課長の田那辺孝氏は、ジビエの取扱いに関する事業実施の可能性を模索していると答えた。また、大子町の特産品としてのブランド化が期待される。
さらには、観光ボランティアの活動についての質問もあり、町からの支援が求められた。観光協会と連携し、さらなる人手の確保が進められることが期待される。
最後に、新庁舎建設の進捗状況や土地の埋立て条例改正についても議論が行われた。生活環境課長は、条例改正を通じて迅速な立入検査が可能となることを説明し、町の安全対策への取り組みを強調した。今後、条例の適用範囲や運用についても確認が必要である。
今回の定例会では、多くの重要な課題が取り上げられ、今後の大子町の発展に向けた意見交換が行われた。