令和5年第1回大子町議会定例会は、さまざまなテーマが討議され、特にサイクリング事業と遊休農地の利活用が注目を集めた。
飯村剛議員が提起したサイクリング事業に関する質問では、町が道の駅奥久慈だいごでレンタサイクルを導入していることが紹介された。観光商工課長の田那辺孝氏は、「これまでにいろいろなサイクリングイベントを開催し、参加者の増加と町内の観光施設の周遊を図っている」と述べた。特に、令和5年度の計画として、ヒルクライムレースや初心者向けのカフェライドイベントなどが企画されていることも報告された。
遊休農地の利活用については、農林課長の矢田部信彦氏が、「約681ヘクタールの遊休農地があり、これを有効に活用するために補助金を提供している」と説明した。新たに、荒廃した茶園の再生も補助の対象となったことが言及され、地域の特産物の育成や景観整備につながる取り組みが期待されている。その中で、隣の市町の成功例を学びながら、町独自のアイデアで利活用の促進を目指す考えが示された。
水道課長の小室学氏によると、大子町は水道の普及率が99.3%であり、これは地域の誇りだと強調した。しかし、老朽化した水道管の更新については約58%が法定耐用年数を超えており、今後の課題である。このために広域化の実現を目指し、経費削減を図る施策を進めていると説明した。
観光の振興に関しては、観光商工課長の田那辺氏が、町内の各いろいろな観光スポットの整備計画や地域の魅力を発信する施策の必要性を述べ、行政と住民が連携していく重要性を挙げた。また、観光ボランティアの人数が少なく、地域のコミュニティセンターとの協力拡大が求められた。
議会では、これらの取り組みを進めることで、大子町の活性化が期待されている。議員からも地域の観光資源をより広く知ってもらうための広報活動の強化を求める声が上がり、今後の動向に対する期待が高まっている。