苫小牧市議会の第3回定例会が9月9日に開催され、防災対策や観光行政、ひきこもり対策など多岐にわたる議題が取り上げられた。
越川 慶一議員は、防災対策として昨年の北海道胆振東部地震を受けた地域防災計画の整備状況について質問した。市民生活部長の片原 雄司氏は、災害対応に関する各種マニュアルの進捗状況を説明し、9月1日には総合防災訓練を実施したことを言及した。また、訓練の結果をフィードバックし、地域防災計画の改訂を行う方針を強調した。これは市民が安全・安心して暮らせるまちづくりに向けた重要な取り組みであるとした。
観光行政に関する質疑では、越川議員が苫小牧市の観光振興ビジョンに基づく観光客数の推移について確認した。産業経済部長の金谷 幸弘氏は、観光入り込み客数が増加傾向にあり、今後も新たな観光資源の開発が必要であると述べた。特に、工場夜景を通じた観光振興の重要性を指摘し、イルミネーション事業との連携について前向きな検討を行う意向を示した。
ひきこもり対策に関する質疑では、松尾 省勝議員が今日的な課題としてのひきこもり問題を挙げ、具体的な支援策の実施状況を質した。この中で福祉部長の柳沢 香代子氏は、生活困窮者自立支援制度に基づく取り組みを説明し、特に当事者の意見に配慮した支援が進められていることを強調した。また、地域の理解とともに、家族への支援が重要であることを認識していると語った。
幼児教育の無償化に関しては、竹田 秀泰議員が制度の施行による影響を質問し、対策としての副食費について市の見解を求めた。子ども・子育て支援についての費用の増加を考慮しながら、無償化の制度についての調整も視野に入れた方法を検討していく姿勢が示された。
最後に、苫小牧港長期構想の中での勇払マリーナにおけるオートキャンプ場整備についても話題に挙がり、観光および地域振興の観点からの取り組みに期待が集まった。これにより、地域活性化を図る具体的な施策が推進されることが望まれる。