令和4年12月5日、苫小牧市議会における一般質問が行われ、教育行政や鹿対策、病児・病後児保育など多岐にわたる議題が討論された。特に、教育行政や青少年育成に関する取り組みが強調され、全国学力・学習状況調査の結果や青少年育成に向けた未来創造こども会議について話題となった。
山谷芳則議員が教育行政について問いただし、市内の小学6年生と中学3年生を対象とした全国学力・学習状況調査の結果が全国平均を下回ったことを挙げ、特に数学に関する課題を指摘した。教育部長の山口朋史氏は、正答率が低い層への支援が重要であると強調し、個別指導の強化やICTの導入を進めていることを述べた。
青少年育成について、山谷議員は「未来創造こども会議」の成果に期待を寄せ、地域のリーダーとなる子供たちが育つ支援が必要と訴えた。その中で具体的な取り組みとして、子供たちの提言が施策に反映されることが不可欠であることを示唆した。
また、性教育の重要性が再確認され、健康こども部長の桜田智恵美氏は、性教育に関する地域の取り組みを強化すると述べ、具体的な施策の実施を約束した。市としても性に関する教育が進むことが社会全体の理解を深めるために重要であるとした。これにより、親と子世代のコミュニケーションがさらに促進されると期待されている。
次に、病児・病後児保育については、これまでの取り組みを評価しつつ、さらなる充実を図る意向が示され、事業拡大のための努力が必要とされる。また、柔軟な働き方を支持するための支援も強調された。市は、地域の課題をもとにした具体的な施策を検討していく方針を明らかにし、家族に寄り添う姿勢を保つ重要性を強調した。
一方、鹿対策についても議論され、市街地での鹿の出没や事故が報告され続ける中、捕獲事業や防除グッズの貸出しが行われていることが説明された。環境衛生部長の石黒幸人氏は、捕獲事業の拡充と啓発活動の強化が今後の大きな課題と認識していると述べた。
大西厚子議員からは、福祉の観点からも多目的トイレや健康器具の設置状況についての要求があり、さらなる改善が求められた。市はその現状を踏まえ、具体的な対応策を模索していることを述べ、市民の多様なニーズに応える姿勢が伺えた。
さらに、マイナンバーカードの普及状況や、それに関連する施策についても質問があり、特に高齢者向け情報提供が強調される場面が多く見受けられた。市民の利便性を向上させるため、マイナンバーカードの電子証明書の周知や貸出しについての具体策が話し合われた。
この日の議会では、教育、福祉、環境、行政の各分野にわたって多様な問題が提起され、課題の解決に向けた具体的な取り組みや市の方針が示されるなど、活発な議論が展開された。