令和3年第16回苫小牧市議会定例会が6月21日に開催された。会議の主要な議題としては、潜在有資格者の現場復帰支援、特に潜在看護師や潜在保育士の取り組みが取り上げられ、多くの議員からの質問が寄せられた。以下では、潜在看護師と保育士の復帰支援や、教員の働き方の改革について詳述する。
まず初めに、山谷芳則議員が提起した潜在看護師の現場復帰支援についてである。現状として、全国には約70万人いるとされる潜在看護師が、看護職の定着を目的とした法律に基づいて北海道看護協会と連携を図り、復帰支援事業が進められている。苫小牧市では、「なでしこ就職応援事業」や「とまジョブ」といった取り組みを通じて、復職希望者への支援を行い、潜在看護職の活用を図っているという。健康こども部長の桜田智恵美氏は、この取り組みが医療機関での人材確保につながっていることを強調した。
さらに、山谷議員から寄せられた質問に対し、潜在保育士の確保事業や、家庭における生活条件の整備についても周知させることが重要とされ、特に障害者支援や子育て世代へのサポートが強調された。
次に、在宅勤務とテレワークの議題が浮上した。総務部長の山本俊介氏は、在宅勤務の実施を令和2年から継続しており、テレワーク実証実験についても開始していることを報告した。この実証実験は、柔軟な働き方を支持するもので、今後も各部署の状況を勘案しながら、効果的な実施を推進すると述べた。
また、トキサタマップ総合公園の整備状況についても報告があり、土地の造成が約7割進捗しているとのことであるが、完成までにはさらに数年を要する見込みだという。
さらに、ウトナイ工業団地に関しても、分譲が堅調である一方で、追加の工業用地の開発について留意する必要性が語られた。
最後に、ぷらっとみなと市場については、バリアフリーの重要性が挙げられ、障害者用トイレの設置など、改善策が求められている。これらの案件について市は引き続き、地域の要望に応じて予算計上を検討し、改善・整備を進める意向を示した。
この会議を通して、議員たちは市民サービスの向上や、潜在人材の活用を意識した質問を行ったことで、より良い行政運営という意図が見えた。市は今後、地域ニーズを捉えた施策を講じる必要がありそうである。