苫小牧市議会は令和3年12月3日に定例会を開催し、様々な議題についての審議が行われた。この中で、特に注目を集めたのは「ゼロカーボンシティ」に向けた取り組みであり、市は新たな時代における環境への目標を掲げ、地域全体を挙げての施策推進を誓った。
岩倉市長は「地域の特性を生かし、2050年のゼロカーボン達成に向けて効果的な政策を進めたい」と述べ、具体的には温室効果ガスの削減に向けた施策との整合性を考慮しながら、地域企業と連携した取組を進める意向を示した。
また、地域公共交通の活性化についても議論が交わされ、バス路線の見直しや利用者ニーズの調査が急務であるとの共通認識が持たれた。加えて、バスロケーションシステムが導入され、リアルタイムでの運行情報提供が利用者の利便性を向上させるとの報告がされた。この新たな取組には、今後の利用促進策として広報活動の強化も期待されている。
さらに、水産観光振興についても触れられ、ホッキ貝やマルトマ食堂といった地域資源を活用し、観光客の呼び込みに力を入れていく方針が確認された。市は、地域の特色を生かしたプロモーションを通じ、地元経済の基盤を築くことに注力すると述べた。
教育分野においても、学力向上が重要課題として浮かび上がり、特に算数や数学の理解度を高めるための方策として教科担任制や習熟度別指導を進める必要性が訴えられた。市教委は、子供たちの将来を見据え、基礎学力の強化を図ると強調した。
この他、スタートアップ企業の支援や外国人材の活用についても言及され、地域経済の多様化と活性化に向けて、苫小牧市が新たな挑戦を続ける姿勢が示された。市は、市民や事業者との強い連携を保ちながら、未来を見据えた持続可能な成長戦略を推進するとしている。