令和2年12月15日に開催された第11回苫小牧市議会では、充実した議論が行われ、子どもを虐待から守る条例を含む複数の議案が審議された。
中でも、苫小牧市子どもを虐待から守る条例は、市民の子育て支援や虐待防止への意識醸成が求められていることを受けて提案された。 市の健康こども部長、桜田智恵美氏は「市民等の役割が重要であり、地域全体で虐待防止に取り組む必要がある」と強調し、市民への啓発活動の重要性を訴えた。
議会では、複数の議員から、今回の条例の意義と期待が示される一方、市内で最近発生した幼児遺体遺棄事件に関する市の説明責任への疑問も呈された。内容に対する評価が分かれる中、義務化された通告の重要性が議論され、市民が容易に通報できる環境づくりが求められた。
また、教育現場においても、児童虐待の予防が喫緊の課題とされ、教職員には必要な対応が強く期待される。教育長の五十嵐充氏は「教職員は、児童の状況を敏感に察知し、地域と連携して対応する責任がある」と述べた。
この条例は単なる運用のための法律ではなく、地域全体の責任で児童虐待を防ぐための理念と責務を定めている。
今後、苫小牧市は市民や学校、地域と連携し、この理念を実行に移すための取り組みを強化していく必要がある。