安中市議会の令和6年第1回臨時会が開催され、重要な議題が審議された。
今回の臨時会では、「令和6年度安中市一般会計補正予算(第2号)」の専決処分の承認が求められた。この補正予算は、予防接種事故への対策に関し、4,441万2,000円の追加が含まれる。企画政策部長の大河原弘行氏は、「この専決処分は緊急に執行する必要が生じたため」と説明した。対策事業では過去にワクチン接種後の健康被害が報告されており、今回の予算承認には慎重な審議が求められた。
質問に立った佐藤貴雄議員は、健康被害救済制度の周知状況と対象者について質疑を行った。大谷雄一保健福祉部長は、対象者が80代で基礎疾患を有し、コロナワクチン接種後に亡くなったケースについて説明した。また、給付金の内訳も明らかにし、遺族の相談対応についても言及した。
続いて、安中市新庁舎建設工事に係る議案第70号も審議された。契約金額は54億8,790万円と規模が大きく、入札は佐田建設株式会社が受注した。今井敏博議員は、入札が単体企業となった理由や市内業者の活用について質問。大河原部長は、地域経済への貢献を図るため市内事業者の発注提案があったことを強調した。
さらに、金井久男議員は新庁舎の設計におけるSDGsの観点について質疑を重ね、初期構想との違いを指摘。答弁では、経費削減を理由に多くの計画が見直されたことが明らかになった。「これでは市民に説明できる内容ではない」と厳しい表情で意見を述べた。
最後に、議案は採決され、議論の末可決される運びとなった。新庁舎建設プロジェクトは今後の安中市にとって大きな財政的影響を及ぼすと懸念されており、引き続き注目が集まる。