令和5年9月27日に鎌ケ谷市議会定例会が開催され、数多くの市政に関する一般質問が行われた。
特に注目されたのは、富田信恵議員によるデジタル化の推進に関する質問であった。議員は、デジタル技術の急速な発展により、社会生活におけるデジタル化の重要性が増していることを指摘した。加えて、国がデジタル社会の実現に向けた改革を進める中、鎌ケ谷市でも効率的で効果的な行政運営が求められていると強調した。実際、市では窓口業務のデジタル化やAIチャットボットサービスの導入が進められている一方、デジタル人材の確保と育成も重要な課題であり、市は専門的な人材の採用に取り組んでいる。
次に、德野涼議員による渋滞問題についての質問が続いた。議員は鎌ケ谷市の交通渋滞が深刻な問題であるとし、その解決に向けた施策が必要であることを訴えた。特に市内の幹線道路が渋滞することで、地域のイメージや住民の生活に悪影響が出るため、交差点改良や道路整備、また信号処理の改善が求められると述べた。これに対し、都市建設部長は既に様々な対策を実施しており、地域のニーズに応じた改良工事の必要性に応える準備が進んでいると答弁した。
さらに、教育に関する質疑も行われた。特に、いじめに関する基本方針の周知とともに、いじめ問題の認知・対処についての体制が問い直された。教育部の副参事は、いじめ問題への取り組みとして年二回のいじめ総点検調査を実施し、徹底した情報共有と個別ケースに即した指導が行われていることを説明した。また、いじめ発生時の学校の組織体制や調査の透明性も求められる中、いじめ問題についての公開やフィードバックを市として進めることが必要であるという意見も出た。
障がい者福祉施策については、視覚障がい者向けの情報提供などが紹介され、障がい者等用駐車場の適正利用についても考察がなされた。健康福祉部参事によると、障がい者等用駐車場の利用促進に向けて周知の強化が求められており、引き続き市民への情報発信に努めるとのこと。また、ヘルプマークやヘルプシールの導入による周囲からの理解促進が重要であるという意識も高まっている。このように、鎌ケ谷市議会は現況を踏まえ、様々な問題に対してより実効性のある対策を模索している。
最後に、いじめ問題に関しては、特にネット上でのいじめや相談窓口の重要性が示され、学校内外の連携による効果的な工夫が求められた。市のいじめ防止対策連絡協議会は引き続き、多様な意見を取り入れた活動を推進することを約束し、さらなる啓発活動を進める方針を示した。市民の意識向上を図るため、広報活動の強化も訴えられた。