令和元年6月26日に行われた鎌ケ谷市議会定例会では、児童虐待の現状とその改善策を巡る議論が活発に交わされた。その中で、近年の相談件数が急増している実態が明らかになり、深刻な社会問題として捉えられている。「平成25年度の全国の児童相談所による相談件数は7万3,802件から、平成29年度には13万3,778件にまで増加した」と報告された。これに対して鎌ケ谷市でも117件から192件へと増えており、依然として虐待が続いている。
児童虐待がどのように行われているのか、具体的なケースとしては、保護者による身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト(無視・放置)と言った4つの類型が挙げられ、特に心理的虐待が約52%を占めている。
このような深刻な現状を踏まえ、法律改正も行われており、6月19日に児童虐待防止法と児童福祉法が改正され、新たに体罰が禁止されたことが強調された。今後は、親としての自己満足から虐待に繋がる行為を防ぎつつ、周囲の助けを得られる体制を整える必要がある。
鎌ケ谷市では、児童虐待防止に向けたさまざまな支援を展開しているが、相談件数に対して職員が不足していることが課題として指摘された。現在、子供と高齢者両方に対しての支援を行う職員は7名、1名当たり約20件の件数を担当しているため、職員の増員が必要との意見が出た。
また、虐待問題に対処する上での地域連携強化の重要性や、相談窓口を周知し、自ら助けを求められる機会を増やすことも求められている。特に、教育現場にいる教師が持つ秘密保持の義務についても再確認し、支援体制を築いていくことが期待される。
さらに、児童虐待の危険性や周知が進む中、地域との協力体制を強化する必要性も指摘された。具体的には、今後、避難支援名簿を地域の防災訓練に活かし、互いに見守り合う関係を育てていくことが重要とされた。