令和5年鎌ケ谷市議会定例会での一般質問では、児童虐待や生活困窮者支援に関する重要な議題が取り上げられた。特に、児童虐待の相談件数が増加している実態が浮き彫りになり、家庭内の様々な要因が絡んでいることが指摘された。
まず、過去5年間における児童虐待の相談件数は、平成29年度の192件から令和3年度の252件と増加している。相談延べ件数も平成29年度の4,356件から令和3年度の6,343件へと増え、急増の一因として、保護者による心理的虐待が多く見られることが挙げられる。特に、実母と実父がそれぞれ50％、46％を占め、子供に対する暴力やネグレクトなど、多岐にわたる問題が存在する。
次に、鎌ケ谷市は、生活困窮者への支援策として、住居の確保や生活相談を行っており、生活困窮者が住居を失った場合には、住居確保支援金を支給している。令和元年度の相談件数が65件から、特例貸付の影響で令和3年度には405件に増加し、状況が厳しいことがはっきりした。一時的な支援が行われるものの、住居のない方への特定支援は未実施である。
さらには、子ども食堂が鎌ケ谷市内で5つ開設されていることも報告された。松戸市のように民間団体への補助金があるわけではなく、周知や場所の提供に限られているが、ボランティアによる支援が進んでいる点は評価される。
今後、児童虐待防止対策地域協議会や、子ども家庭総合支援拠点の機能を活用し、地域との連携を強化しながら、困難を抱える家庭や子供たちに寄り添った施策が求められている。このような取り組みが進むことで、鎌ケ谷市が地域全体で困難に立ち向かう姿勢を強化し、より良い子育て環境の整備が期待される。