令和6年6月10日に開催された我孫子市議会定例会では、様々な市政に関する課題が討議された。特に医療的ケア児の支援、プラスチックごみの資源化、そして地域のまちづくりに関する問題が焦点に上がった。
この会議で最初に大きな議論を呼んだのは、我孫子市における医療的ケア児の現状と支援の課題である。医療的ケアが必要な子どもたちは、生活の質を維持するために特別な支援が求められる。健康福祉部長の飯田秀勝氏は、医療的ケア児への支援体制を確立するため、地域の医療機関との連携を強化すると述べた。
次に進んだ議題では、プラスチック使用に関する資源循環の促進が扱われた。環境経済部長の山本康樹氏は、プラスチック製品の分別収集の拡大を図り、新資源化施設を設立する方向で進める考えを示した。さらに、「市民もプラスチック削減に協力するべき」という声が上がり、教育や広報の重要性も強調された。市は今後、プラスチックを使用しない生活スタイルを推進するため、市民団体との連携を深める意向を発表。
我孫子新田地区のまちづくりについても激しい議論が展開された。住民の反対の声を受け、地区計画の変更後の施策に対する住民の懸念が表面化。開発課長の中場聡氏は、地区計画の変更は観光施策の一環としての位置付けであったと強調しつつも、地域住民との対話の重要性も認識している様子だった。さらに、住民からの新たな情報収集や意見聴取にも応じる意向を見せた。
地域課題においては、特に文化と歴史の重視も焦点に上がった。文化ホールの再整備や郷土資料館設置に関して、市民から多くの要望が寄せられている。生涯学習部長の菊地統氏は、文化交流拠点施設の建設計画について説明があり、過去に起こった郷土資料館建設に対する請願状況を挙げ、文化の維持や啓発に関して改めて取り組む必要性を訴えた。
最後に、未来に向けた課題として強調されたのは、地域の魅力創出であった。我孫子市における観光の新たな拠点としての可能性と、布佐地区の活性化を目指した新たな施策についても言及され、地域住民との連携を深めながら計画を進めていく旨の意向が示された。